かりん Vol. 1

昭和59年10月
東京工芸大学女子短期大学部
華 輪 会


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名前のおはなし

 同窓会誌第一号によせて 学 長:菊 池 真 一
 
 東京工芸大学女子短期大学部の第一期生で大学に残っている千沢さんから同窓会誌の第一号が出来るから何か書いてくれとお頼みがあったので喜んで筆をとっている。
 皆さんが女子短期大学部秘書科の第一期生として卒業し、それぞれの仕事についてから早くも六ケ月以上たった。大方の人は張切って働いていることでしょうが、その間に大学の二年間の生活を懐しく思っていることでしょう。なかには仕事に疑問をもって悩んでいる人もあるかも知れない。そのような人は一層大学時代を思い出していることでしょう。
 大学は学生時代の最後のしめくくりで、又、皆さんが人生で一番貴重な青春を送った所ですから将来ともにその思い出は大切にして下さい。そして同窓会はその中心になります。同窓会は各クラスと女子短期大学部の各年次を貫く全体の同窓会があります。また、東京工芸大学全体の女子短期大学部支部でもあります。
 年を経るに従って同窓会の会合で旧友相逢って話し合うことは楽しいものです。しかし、皆様はこれから仕事に忙しいし、また間もなく結婚、育児に手をとられてそれどころではないという一時期が来るでしょう。その時も連絡を欠かさず、完全な名簿が出来ていることを望みます。名簿こそは皆様をつなぐ命綱です。
 人生においては得意の時と失意の時があります。得意な時はその喜びを分ち合い、失意の時は一層同窓会に心のより所を求めて下さい。そして何人かの熱心なボランティアが各クラスの同窓会を引っぱる牽引車です。
 私は東京工芸大学合体の一部であるといいましたが、工芸大学は全国に支部があります。女子短期大学の卒業生はいまは、神奈川、東京に住んでいますが、結婚すると地方に行くことになるかも知れません。その時は工芸大学の地方支部に属して下さい。必ずや強力な支援が得られるでしょう。

 今まさに新しい時代の同窓会 会 長:岡 村 江 美 子
 
 近年における、学生の多種、多様なプレイスポットには目を見はるものがあります。テレビ、ラジオ、雑誌、こういった媒体には平然と主役を務めている。最近は、いろいろな能力を持った学生が集まり、その人材を必要とする所へ派遣され自分の能力を発揮するという”人材バンク”なるものが登場し、まさに引く手あまたとか。そんな中で、やはり元来のカラを打ち破り、社会の逆流となって波乱をまき起こし、今では誰もがのまれてしまう主流となってしまったのが、「女子大生」なのである。そう、こわい者なし……とつけ加えます。こう言っても、昔と変わらぬ、俗に言う「まじめ」な女子大生も少なくない。そういった激増する学生たちが自分たちの学生生活をどう過すか、何を得るか、には方向性がない。無限大の可能性をひめた学生たちが、それを自覚し、自分でハンドルを握る事ができるのである。そして最後の楽園である大学生活の中で何かを悟り、次の世界での活力とするのである。一つのストーリーが終わった時に、同じような体験をし、似かよった気持ちを持った私たちが待っている。同期同志、学生時代をなつかしみ、語り合うも良し、後輩に、一歩前を歩いている教訓を聞かせてもよし、相談にのってもよし、そんな暖かい同窓会にしたい。
 全員で集まれなくとも、所々で、東京工芸大学女子短期大学部卒業生が再会を楽しんでいればいい。学生たちは、どんどんその世界を新しいものにぬりかえている。私たち同窓会も、元来の形だけ、名前だけの影のない団体は造りたくない。
そう言った考えの中で、この第一回同窓会会報を作り上げ、皆の手に届くのを楽しみにしている。
″決して捨てられない、愛読書として、仲間たちに贈ります。”