ひまわり茶論
 

 今回から卒業生のみなさんからの一言を連載したいと思います。同じ短大を卒業し各方面へ飛び立った私たち。ちょっと立ち止まって他の方のお話しに耳を傾けてみませんか。
 第1回は第4期ご卒業の佐賀井美都さんに毎日の生活をうかがってみました。ワーキングマザー、妻と一人何役もこなし、ご活躍の佐賀井さんも仕事と子育ての両立には悩んだ時期もあったようですが。そんな卒業生の“今”をお願いしました。

 

4期卒業生 佐賀井 美都

 毎日どうしてこうも忙しいのか、とおもいますね。殊に子供が生まれてからは休日もありません。病気もしょっちゅうですし、連日の通院には泣きたくなります。”ワーキングマザー”なんて言葉は格好いいですけど、こんな生活をしていたら気が張っていますもの、他から見たらバリバリママ以外の何者でもないでしょうね。
朝6時30分起床、子供を着替えさせながら朝食づくり、布団をあげて時には洗濯までして7時50分には家を出て保育園経由で出勤。夕方は5時すぎに研究所をあとにして保育園へ。そのまま隣駅の耳鼻科まで毎日の通院..... 1日はあっと言うまですることは山ほどあります。それでも仕事を続けていきたいと思うのは、仕事をすることが自分にとってとても自然なことだと思えるからでしょうか。
 現在勤務している研究所は短大卒業から11年目になりますけど、入所した当時はワープロ、フアックス、コピーが三種の神器なんて言われていて、机にはまだ電電公社の黒電話が2人に1台ずつしかありませんでした。それが現在ではいろんな意味で変わったと感じます。
 結婚退職はめっきり減って出産、育児を今までの生活に取り込んでいく人が増えましたし、私の周りにもそのような方が大勢(?)いらっしゃいます。同じ境遇の人が集まればそこに社会が作られていくのでしょうけど、私の場合はたまたま現在の職場がそのまま自分の住みやすい環境となり社会になっていた気がします。
 子供には元来すばらしい適応能力と観察能力が備わっていると思うことがあります。ある日突然言葉を発したり、新しいことが出来るようになったり。とても好奇心が旺盛なんですよね。母子で家に閉じこもって遊ぶより保育園はずっと楽しそうですし、そこにはちゃんと子供の世界なり社会があるようなのです。そんなことに気づいてからは”何事も母親である自分がしなくては”と思うことにすら違和感を覚えたりしています。
もちろん、母親がいつもそばにいて安心感を与えることは健やかな成長には欠かせないものですが、私の人生と子供の人生は糸をよる様に絡み合っていて、時が経れば過去となった現在も見えてくるのでしょうが、今は何をするべきなのか、走りながら考える毎日です。仕事は私の一部で、子供の気持ちも無視できるものではありませんが、協力してくれる夫とこの家族がある限り、私自身が”わたくし”でいることができる気がしております。



菊池元学長永眠
 短大開校よりお力を尽くされた菊池真一元学長が、去る2月15日87歳で肺炎のためご永眠されました。
 敬虔なクリスチャンでいらした元学長は私達学生を広くあたたかい目で見守って下さいました。ここに哀悼の意を表し、ご冥福をお祈り致します。

編集後記

簡単な内容となった今回の会報ですが当面は年1回の発行とし、総会開催通知と合わせて送らせて頂きます。次号からは紙面充実、在学生のこと、役立つ情報等も掲載し両面印刷に出来たら、と思っています。アイデア・ご意見また投稿などありましたらご一報下さい。
末筆になりましたが突然の寄稿依頼を快くお引き受け下さった佐賀井さんに、この場をお借りしてお礼申し上げます。

宮永 悦子   

 
かりん 第4号
発行日 1997年6月 発行者 宮永悦子