女子短大のあゆみと展望 ★★ 事務局長:村 上 直 養
 
 昭和五十五年六月十三日 文部省より短期大学に「秘書科」の設置を認めるという発表がありました。本学では、かねてより学園全体の発展と地域社会の要請に応えるべく女子の実務教育を行う短大設置を検討していましたので 早速理事会の議決により女子短期大学部秘書科の設置申請を同年七月三十日に行い、審査を経て、昭和五十七年一月十六日付にて短期大学の秘書科として我が国で最初に設置が認可されました。
 大学設置申請より認可までの二ケ年間、校舎建設、教員組織、図書、施設設備、その他予算関係等関係の人的、物的の確保と整備に忙殺、この間法人本部の関係者はもとより、工学部の先生方に、また資金面では工学部同窓会、三井銀行より多大なご援助を賜りましたことを誌上を借りて厚く御礼申し上げます。
 さて、認可直後より学生募集活動に入り、推薦入学を五十七年一月三十一日、第一次入試を二月二十日、第二次入試を三月十五日に実施し、一八七名の第一期生の入学式を四月六日に西村理事長、足立原厚木市長、刈田綏先生を迎えて挙行し、ここに東京工芸大学女子短期大学部(秘書科)が正式に発足いたしました。以来二年の歳月は矢の如く流れ、本年三月十五日第一期卒業生一八二名の卒業式を厚木市文化会館で挙行、同窓会も正式に発足し、ここに第一回同窓会報発行に寄稿出来ますことは私の最も喜びとするところであります。これより想いつくまま過ぎ去った二ケ年余の出来ごとと、本学の当面の計画について述べさせていただきます。
 第一期生を迎えると早速永田先生難波課長の指導で学友会が発足、岡村江美子さんが会長になられ、大いに指導力を発揮されました。部活動も活発となり、箱根でのオリエンテーションにより学生同志の親睦も増し、前期試験が終ると直ちに学園祭−といいましても一年生のみですからすべて零からの出発。山川郁子さんはじめ学園実行委員の方々がパイオニア精神を大いに発揮されて「エリアント祭」という名秩からテーマは「いま同じ時代のあなたに」。主なイベントは川崎麻世(本学短期大学部二年生)を迎えてのコンサートそして伝統行事とする餅つき大会、ポスター作成から正門アーチの制作等々、教職員の支援で成功裡に終りました。
 この頃にはすっかり短大らしくなり、学風も出来てきました。そして五十八年四月四日第二期生一八○名を迎え、学園も一層活況を帯びてきました。二期生のオリエンテーションが終る頃より一期生の就職指導が始まり、九月に入ると就職活動も活発となり水之江、大塚、永田先生はじめ教職員は、夜遅くまで指導や企業訪問に追われる毎日でした。その結果十一月一日までに、就職希望者の84%が内定、五十八年一月中に全員就職が決まりました。
 その一方では第二回エリアント祭が田坂由紀子学園祭実行委員長はじめ委員の方々の努力と指導のもとに「愛 あい EYEがいっぱい」のテーマで、好天に恵まれ大成裡に終わりました。そして四月四日、七五〇名より選ばれた一八四名の第三期生を迎え、五月二十二日にはスポーツフェスティバルが学友会主催で行われました。これも今後恒例として全学参加の行事にしてゆく予定です。二ケ年の学園生活は矢の如くすぎてゆきますがそれだけに充実した想い出多い学園生活にすることに学生と教職員お互いに努めてまいりました。
 第一期生の卒業アルバムを拝見いたしますと入学より卒業までの楽しかったこと。苦しかったこと、それぞれの想い出が走馬灯のように想い出されます。
 次に学園が現在実施又は実施しょうとしている計画についの概要をご説明申し上げ同窓生のご理解とご協力をお願いする次第です。

一、創立六○周年記念図書館建設について

鉄筋コンクリート造 三階建、二,二二八m2が七月末に完成、十月九日落成式が行われました。この中には女子短期大学生専用の閲覧室も含まれており、資金については後期要項の通り六十年八月まで同窓生の寄付募集を行ってますので何卒一口で結構ですからご支援下さい。

二、第二校合建設について
 昭和六十一年度より入学定員を増員すると共に、ワードプロセッサ ハーソナルコンピューターの教育を充実するため現在の校舎の裏に鉄筋コンクリート四階建の第二校舎を本年八月着工、六十年五月完成予定で建築します。これが完成しますと従来工学部の大教室で行った授業が学内で出来るようになると共に入学式、卒業式、エリアント祭等に使用出来、また、かねてからの要望のピアノも一台置けるようになります。この資金についても同窓会のご支援を賜りたいと存じます。

三、学友会部室の建設について
 かねてから要望の強かった学友会部室も、後援会のご支援により本年十一月未頃までにテニスコートと食堂の間に建設の予定です。経量鉄骨造二階捷二八三m2で約一四m2の部室 七室、学友会本部三九m2と備品を納める倉庫二室、音楽関係部室等が含まれます。